コロナと中医・漢方 ~感染症に負けない体を作る、痰湿~

 

 コロナウイルス感染症は、中医では『温病』として扱われることが多いです。

 古来、中医では、体質と感染症の関係が研究されてきました。温病では、①気虚、②陰虚、③痰湿、④湿熱などの体質との関係があると言われています。

 今回お届けするのは、痰湿』体質です。

 体質を知って、養生を心がけ、感染症に負けない体を作っていきましょう!

 

・痰湿の診断、スコア表

  太っている、パワーがない、顔が暗い黄色、胸の気持ちが悪い、痰が多い

  そんなお悩みの方は、痰湿タイプかもしれません。

  最近体重が増えた、とても疲れる、食事が不規則、そんな方も要注意です。

  『痰湿』とは、何か?と言う前に、まずはスコア表をご覧ください。

 

       痰湿タイプ スコア表 (中華中医薬学会)

          ・ スコアの合計:  ≧21 ビショビショ型

                       18~20 ビショビショ型の傾向あり

                       ≦17 違う

 

・『痰湿』とは?

 『痰湿』を理解するため、『痰』と『湿』についてお話します。

 中医学では、『痰』や『湿』は、『邪』であると考えます。『邪』とは、人体にとって悪いものです。  

 『痰湿は、体内の水分代謝に関係した有害なゴミ。』、おおざっぱにまとめると、こんな感じです。

 特に、女性では痰湿がたまりやすいとされます。 汗

 『湿が水になり、水が飲になり、飲が痰になる』とされますが、あまり細かく突っ込むと混乱するので、大雑把にいきます。

 『痰』は、平たく言えば、『体内のゴミ』みたいなものです。健康維持にとって欠かせない『気』の働きを妨げ、機能単位である『五臓』の機能に悪い影響を与え、体のあちこちに溜まって様々な症状を引き起こします。また、『怪病は痰のせい!(難しい病態をみたら、痰の関与を疑え)』と言われます。『痰』には、形のある痰と形のない痰があるとされますが、あまり深入りしなくて良いでしょう。

 『湿』には、2種類あります。

 ①体外からの湿: 湿気などで、外から人体に侵入して異常を引き起こします。

             日本の梅雨のシーズンは、こちらのタイプですね。

 ②体内からの湿: 体内で生じた、病的な生産物。 

            体内の湿は、『脾』(消化吸収)の機能が落ちてくると生じやすくなります。

 体内・体外の質は、お互いに影響を与え合うことがあります。湿も、体の正常な機能を妨げます。


 痰湿の人は、太っていることが多いです。

 中医では、『太っていれば、痰湿が多い』と考えます。逆に、体質がビショビショ型の人は太りやすいとも言えます。

 ちなみに、『痩せている人には、内熱型が多い』とされますが、こちらは機会があれば。

    痰湿の方は、睡眠に影響が出やすいのが特徴です。特に、寝返りが多くなるのが特徴です。また、朝の8~9時ごろに疲れやを感じやすく、スッキリしない感じで、もう一度眠りたい気になることが多いです。

 痰湿は、重く汚れていて、粘りやすいという特徴があり、エネルギーの流れを阻害するため、体が重くて疲れやすいとされます。特に、『脾胃』(消化吸収の機能)との関係が注目されています。

 

・『痰湿』、おススメのもの

 消化吸収の機能を高めて、たまったごみを除くことが重要です。

 食べ物は、温かいもの、野菜や果物を多くとることを心がけてください。中医的に『平』の性質をもつもの、健脾利湿・化瘀祛痰の性質をもつものがおススメです。

 おススメの食材は、

 芥子菜、韮、葱、ニンニク、ラージャン、生姜、白大根、玉ねぎ、冬瓜、山芋、ハトムギ、トウモロコシ、

 琵琶、ナツメ、パパイア、アンズ、レモン、レイシ など。

 運動は、ウォーキング・水泳・ピンポン等が良いとされますが、中等度ぐらいの負担をここと崖てください。外に出て運動すると、体のエネルギーのめぐりが良くなり、痰湿がたまることを防ぐ作用があるとされます。寝すぎも禁物です。

 

・『痰湿』、おススメでないもの

 脂の多いモノや味の濃いものを避け、暴飲暴食や早食いをやめ、アルコールも控えることが重要。

 冷たい飲み物のがぶ飲みも控えてください。また、酸っぱいものも避けててください。

 肉類は控えめに、牛肉・羊肉・鶏肉は比較的良いとされます。

 

 痰湿、おススメの食材

 トウモロコシとヨクイニンを例に、おススメの食材を説明します。

 

トウモロコシ

 

                    電子辞書ウィキペディアより転載

                 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%B7

 中医では、トウモロコシは

 味が甘く、性は平で、胃腸を整え呼吸機能を強くし、体内の水分代謝を整えて余分な熱を冷まし、五臓である肝胆の働きをスムーズにすると考えます。また、抗老化作用もあるとされます!

 胃腸の調子が悪く食欲がない、少ししか食べられない、体内の水分代謝が良くない、尿が出にくい、むくみがある、そんな方におススメです。高脂血症や心臓の病気にも良いとされます。

 現代医学的には、トウモロコシには食物繊維が多く、また含まれるビタミンEが細胞の分裂に良いとされます。コレステロールを下げたり、皮膚に良い作用があるそうです。

 

ハトムギ

 ハトムギは、生薬としては『ヨクイニン』と呼ばれます。

  画像は、ウィキペディアより転載

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%88%E3%83%A0%E3%82%AE

 消化吸収の機能を高め、熱を冷まし尿の出を良くする作用があります。

 ビショビショ型(痰湿)では消化吸収の機能が弱いことが多く、その意味でもおススメです。

 中国では、消化吸収機能のUPには、炒めて食べます。 熱さましや排尿には、ハトムギを煮て食べます。

 ハトムギは尿の出を良くし、むくみを取る作用があり、減量にも良い食材です。

 乾燥した感じの便になるタイプの便秘や、尿が多い方、または妊娠初期の方にはおススメではありません。

 ハトムギは、イボ取りの生薬としても有名です。

 また、女性では生理に関係したにニキビにもよく使われます。『生理の時にニキビができやすい』と言う女性には、桂枝茯苓丸加ヨクイニン(桂枝茯苓丸と言う薬にヨクイニンを加えたもの)を処方することが多くあります。

 今回のコロナ感染症に対して、基本処方にヨクイニンを混ぜることがよく行われているそうです。