中医では、病気の本体は、体を維持し発展させる要素である「正気」と、人体を傷つける「邪気」の闘争であると考えます。

 「邪気」が人体に害を及ぼした後に、どのような経過をとるのか?これには、正気の強弱が重要な要素として関与します。特に、体質の影響が大きいとされます。

   今回の新型コロナウイルス感染症は、一般的に「温病」として治療されることが多いという特徴があります。

 

 「温病」学の歴史の中で非常に重要な書籍「温病条弁」の研究から、以下のような体質分類が提唱されています。

  • 壮質:  体が充実して、病邪に対する防御力も強い
  • 気虚質: 消化吸収の力が弱い。生まれつき、または不摂生で体が弱い。
  • 陽虚質: 相対的に人体の「陽」の要素が弱い。
  • 陰虚質: 人体の「陰」(体液成分など)が弱く、「陽」が過剰になりやすい。
  • 痩燥質: 体がやせ細り、体液成分が少なく、潤いが不足しやすい。
  • 痰湿質: 体液代謝の能力が弱く、体に余分な液体がたまりやすい。
  • 湿熱湿: 飲酒や食事の影響などで消化吸収の機能が弱り、体液の貯留と熱の要素が強い。

 

・体質と感染症

 今回の新型コロナウイルス感染症は、一般的に「温病」として治療されることが多いのですが、「温病」は大きく「湿熱」と「温熱」に分けられます。これには、人体の2大要素である「陰」と「陽」のバランスが大きく影響します。 一般的に、以下のような傾向があります。

・温熱: 陰虚体質がかかりやすい。

・湿熱: 陽虚体質がかかりやすい

 

・体質と病態の変化

 病態は、病気の原因になっている邪の性質/病毒の強さ/適切な治療が行われたか/体質の影響などによって、様々な経過をたどります。

 例えば、老人は「経絡のエネルギーの不足」「陰の不足」などによって、重症になりやすいのが特徴です。

 

・温病は、体の『陰』の要素を害しやすい

 温病では、病態の変化と病後の養生において、陰の要素を適宜補う必要があります。

 

・体質と病気の変化に対する分類

  • 体質の寒と熱

 

口喝

排泄物

薬剤

青白い

少ない

薄い

桂枝湯

便秘など ⇒温下(大黄附子湯など)

紅い

紅、苔黄

多い

濃い

悪熱/口喝 ⇒銀翹散

熱が盛ん ⇒白虎湯

便秘など ⇒寒下(承気湯など)

 他にも、以下のような体質が重要です。

  • 体質の虚と実
  • 体質の燥と湿
  • 体質の陰と陽