婦人科漢方

~ホルモン療法による更年期様の症状~

  更年期障害は、閉経の前後5年ずつの時期に出る様々なつらい症状です。

  しかし、病気の治療などによって、更年期障害のような症状が出ることがあります。

  今回は、それに関した内容です。

 

  具体的な例を挙げれば、乳がんの治療でホルモン療法を行った際に、ホットフラッシュなどの症状が出ることがあります。(注1)

  その際に、漢方ではどの様な治療をするのか?

  これに関して、私の『がん漢方』の師匠である星野先生の治療を説明します。

 

  基本的に、以下のような内容になります。

 

柴胡剤

駆お血剤

 

 

 

 

 

 

大柴胡湯

四逆散

柴胡加竜骨牡蠣湯

小柴胡湯

柴胡桂枝湯

柴胡桂枝乾姜湯

補中益気湯

(+α加味逍遙散)

桃核承気湯

桂枝茯苓丸

当帰芍薬散

(↑表中の 「強 ⇔ 弱」は、一般的に言われる薬効の強さ。病状に合わせて使う)

  『柴胡剤』は、生薬・柴胡を含む漢方薬のグループです。

  『駆お血剤』は、産婦人科の4大処方『桃核承気湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散・加味逍遙散』を含みます。 加味逍遙散は、生薬・柴胡も含むため、今回は柴胡剤の扱いです。

  基本的に、『柴胡剤』 から1種類

        +『駆お血剤』から1種類 の組み合わせで治療します。

 

  では、具体的に、どの漢方薬を選んで治療するのか?

  これをお話しするには、非常に長く込み入った内容になりますで、今回はご勘弁を。

  漢方に精通した医師に、ご相談ください。

  私は、基本的に、師匠直伝の星野先生流の処方で治療します。

 

  漢方では、『異病同治』の原則があり、漢方的に同じ段階と判断すれば、現代医学的な病名が違っても、同様の治療を行います。

  また逆に、『同病異治』の原則もあって、同じ病名でも治療法が異なる場合があります。

 

  問診、腹部診察などを組み合わせ、いかに症状に合った薬を選び出すか?

  漢方治療の醍醐味で、一番難しい部分でもあります。

 

 

(注1)

 治療に関する詳しい話は、日本乳がん学会などでも診療ガイドラインが公開されていますので、そちらをご覧ください。

 

【補足】

  「ホルモン療法に漢方治療を併用すると、せっかくホルモン療法をしているのに、療法の効果を減らすのではないか?」という意見もありますが、星野先生によれば特に問題はないそうです。むしろ、つらい症状をうまくコントロールできれば長い期間にわたってホルモン療法を行うことができ、患者さんにとって大きな利益となるとの話でした。