皇后毒殺の下手人は!?

 

【あらすじ】

  前漢の時代、霍光は皇帝の地位をも自由にできるほどの権力を持っていました。

  彼自身は身を慎み、人望も厚い人物でしたが、彼の一族は権威をかさに横暴な振る舞いが目立ちました。また、霍光の妻は、自分の娘を皇后にするために、皇帝の愛妻・許皇后の暗殺をたくらみます。そんな中、許皇后の出産が近づいてきました。

 

  淳于衍は、『女中扁鵲』の呼び名も高い女医でした。扁鵲は、伝説の名医です。

  臨床経験が豊富で、脈診に通暁し、宮中でも名声を得ていました。

  イラストは、百度百科よりhttps://baike.baidu.com/item/%E6%B7%B3%E4%BA%8E%E8%A1%8D

 

  ある日、霍光夫人が、淳于衍を呼びました

  霍光夫人は、淳于衍に告げます。

  『お前に、一つ相談したいことがある。霍光大将軍は、愛娘を高い地位に着けたいと思っておられる。このことに関して、お前の手を貸してほしい。

  『婦女の生育の大事は、九死に一生のことじゃ。皇后は、出産に臨もうとしておる。この機に乗じて毒殺すれば、わが娘が皇后となることが出来よう。成功すれば、霍一族もお前の一族も、富は思いのままじゃ!』

  『九死に一生』という言葉は、これが由来であるとされます。

 

  淳于衍は、しばし考えた後、霍光夫人に答えます。

  『お望みのままに、私も力を尽くします。』

 

     許皇后は、無事に皇子を出産しました。

  淳于衍は、出産後の皇后が飲む薬の中に毒薬を入れました。この時に使われたのは、トリカブトであったとされます。

  薬液を飲んだ後、許皇后は悪心やめまいを訴え、一日もたたない間に亡くなってしまいました

  結局、霍光の娘が皇后になります。

 

  ・・・、・・・、

  おい、ちょっと待て。これで終わりか? この世には、神も仏もないのか!?  

  残された許皇后の皇子の運命やいかに!

     というところで、次回に続きます。