超絶技巧の舞台裏 その2
『悬丝诊脉』!
手首に巻いた糸を伝わる振動で診察するという、超絶技巧です。
でも、でもです。ホントにできるのか??
名医として有名な、施今墨が興味深い指摘をしています。
彼は北京の4大名人と言われ、清朝の皇族の治療もしていました。
彼によれば、『悬丝诊脉』は『ある部分は正しく、ある部分は間違っている』のだそうです。
歴代頂の朝廷では、高貴な身分にある女性が病気になった時、お付きの宦官に病状を伝えて、宮廷医たちはその宦官から病状を聞いていたのだそうです。
格調高い宮廷で、『皇后さん、ウ〇チの調子は、どうよ??』なんて質問をした日にゃ、宮廷医の首が飛びます。……下手をすれば、物理的な意味でも。
うん、これはまずい。大変に、まずい。
:(;゙゚’ω゚’):
でも、正確な情報がなければ、診断も治療もしようがありません。
Ψ(・O・)Ψ お手上げ
貴人は、病気を治したい。宮廷医も、病気を治したい。
でも、宮廷内のいろいろな規則で、直接に診療ができない。
そこで登場するのが、貴人お付きの宦官などです。
宮廷医たちは、貴人のお付きの者たちに付け届けを欠かさず、情報を得るために努力をしていたそうです。
『悬丝诊脉』は、形式上のモノだったという、なんともサエないお話でした。
(´ヘ`;) う~ん
伝説の超絶技巧としてしられる、『悬丝诊脉』
そこから見えてきたのは、様々なしがらみの中で、医師と患者が何とか病気を治そうと努力した姿、なのかもしれません。
でも、でもです。
それでも、『薬王』とまで称された名医・孫思邈なら、孫思邈なら、きっと何とかしてくれる!?
かも、しれません。
今回の内容は、粛慎著『给皇王把脉-行走宫廷的御医们』を参考にしました。