がん漢方 ~『癌証』とは?~

 

  『癌証』は、がん漢方の重要な概念です。

 

  がん患者さんは、

 ①がん自体(浸潤/転移/サイトカインの分泌)

 ②がんの治療(手術/放射線療法/抗がん剤/ホルモン治療など)

  によって、様々な症状が出てきます。

 

  その結果、気力と体力が低下した状態となってしまいます。

  この状態を、『癌証』と呼びます。

 

  図にすると、こんな感じです。

 

 

  もとの表は、上から下に一方通行で落ちていくイメージです。

  私は、『様々な症状』 ⇔ 『気力体力低下』が負のスパイラルで悪化していくと考えていますので、図を少し変更しています。

 

  回っている独楽は、十分にエネルギーがある間は、少々の障害は弾き飛ばして回り続けます。しかし、エネルギーが落ちてくると、少しの衝撃でもグラグラと揺れ、安定がどんどんと悪くなって、最後には倒れてしまいます。

  人体も、十分にエネルギーがある間は、少々のダメージではへこたれません。

  しかし、様々な症状でエネルギーが弱ってくると、症状が更にこたえるようになり、ますますエネルギーが減っていく。そんな負のスパイラルにはまり込んでしまいます。

  そんなイメージです。

 

  では、負のスパイラルを断ち切って、気力体力を回復させるには、どうするのか?

  次回以降、『癌証』の治療についてまとめます。

 

 

 

 

  この項目は、私のがん漢方の師匠である星野惠津夫先生の著書『症例から学ぶがんの漢方サポート』などを参考にして制作しました。