王様のそばは、虎のそば!

 

  3回にわたって、皇后毒殺事件をお届けしました。

  皆様は、どんな感想を持たれましたか?

 

  女医による、出産直後の皇后毒殺!

  下手人である女医・淳于衍のことを、『この外道!医者の風上にも置けねェ!』と感じるのは、自然なことかもしれません。

  でも、でも、です。

  淳于衍の立場になって、この事件を見直してみれば、違う景色が見えてくるかもしれません。

 

  実質的に権力を握る重臣・霍光。その妻が、皇后の毒殺を相談してきます。相談とは言っても、実質的には命令です。

  もしも、この話を断ったら、どうなるでしょう?

  まず間違いなく、生きて帰れません。

 

  『そうかえ。このわらわの、たっての願いを断ると申すのか?よぅく、分かった。』

  『この話を聞いて無事に帰れるとは、まさか思っておるまいの?』

  『誰か、この痴れ者の首をはねよ!』

  なんて展開になるのは、目に見えています。

            ガーン​​​​​​​

 

 ・話に乗る ⇒ 毒殺に成功したら、皇后暗殺の下手人

             ⇒ 秘密を知るものとして、いつか殺される?

         ⇒ 毒殺に失敗したら、トカゲのしっぽ切りで全ての責任を負わされ死刑

 ・話を断る ⇒ その場で殺される

 

  ・・・、・・・、

  どないせえ、ちゅうねん!

         ゲッソリ

  どう転んでも、お終い。チェックメイト

 

  『陪君如陪虎』

  この言葉を私に教えてくださったのは、ご自身が清王朝の宮廷医のご家系である白老師です。

  君主のそばにいるのは、どう猛な虎のそばにいるのと同じこと

  実際に宮廷医のご子孫から聞くと、この言葉の重さが実感できます。

 

  王様のそばは、虎のそば!