効く薬はおいしい!?
漢方界隈で、よく言われる話。
効く薬はおいしい!
これは、本当でしょうか??
曰く、
『動物は、体調が悪くなると自然の草などを食べている。同じように、人間にも、自分にとって良いものと悪いものを見分ける能力がある。』などなど
『体に合った薬は、甘く感じる』などと言う話も、よく聞きます。
特に後者、『甘く感じる薬が効く』説には、注意が必要です。
多くの漢方薬には、『甘草(かんぞう)』が含まれています。
この甘草、ショ糖のおよそ150倍の甘味を有するといわれているグリチルリチン酸を多く含み,文字どおりの「甘い草」!(注1) これが含まれていたら、薬の味を甘く感じる人がいるのも、当然と言えば当然の話です。
少なくとも、『甘く感じる薬』=『体に合った、効く薬』というのは、マユツバです。
ちょっと、ねェ
では、本当においしさとと効き目は関係ないのか?
そうとは言い切れないのが、難しいところです。
呉茱萸湯という漢方薬は、苦いので有名です。
頭痛によく使われるのですが、正直、患者さんからの味の評価は、よくありません。
しかし、中には、『呉茱萸湯ものすごく美味しい。毎日、この薬を飲むのが楽しみなぐらい』なんて人もいます。こう言った人は、実際によく効いていました。
また、小児科などでは、水飴の入った甘い薬をよく使います。苦い薬などは、特に小さいお子さんは、なかなか飲んでくれません。
(;><)
味と、効き目。
なかなか奥深く、難しい課題です。
(~ヘ~;) ウーン
(注1)
日本漢方生薬製剤協会
https://www.nikkankyo.org/seihin/shouyaku/03.htm
ちなみに、甘草は、以下の薬などに含まれています。
配合される主な漢方処方
安中散,胃苓湯,黄耆建中湯,黄連湯,乙字湯,葛根湯,葛根湯加川芎辛夷,甘草湯,甘草瀉心湯,甘麦大棗湯,桔梗湯,帰耆建中湯,芎帰膠艾湯,響声破笛丸,杏蘇散,駆風解毒散(湯),荊芥連翹湯,桂枝加葛根湯,桂枝加芍薬湯,桂枝加芍薬大黄湯,桂枝湯,桂枝人参湯,桂麻各半湯,堅中湯,香砂平胃散,香砂養胃散,香砂六君子湯,香蘇散,五虎湯,五積散,柴陥湯,柴胡桂枝湯,柴胡清肝湯,柴芍六君子湯,滋陰降火湯,滋陰至宝湯,四逆散,四君子湯,治打撲一方,炙甘草湯,芍薬甘草湯,十味敗毒湯,潤腸湯,小建中湯,小柴胡湯,小青竜湯,升麻葛根湯,秦芁羗活湯,秦芁防風湯,清肺湯,蘇子降気湯,大黄甘草湯,竹茹温胆湯,調胃承気湯,桃核承気湯,当帰建中湯,当帰四逆湯,当帰四逆加呉茱萸生姜湯,独活葛根湯,二朮湯,人参湯,排膿湯,麦門冬湯,半夏瀉心湯,平胃散,加味平胃散,補中益気湯,麻黄湯,麻杏甘石湯,麻杏薏甘湯,薏苡仁湯,抑肝散,六君子湯,苓姜朮甘湯,苓桂朮甘湯 等 (同ぺーじより)