漢方薬 ~より良く効かせる飲み方~
漢方薬、
どうせ飲むのなら、よりよく効かせたいところです。
以前、風邪の際に飲む薬の飲み方(注1)をお伝えしました。しかし、実は、これ関してにもいろいろな説があります。
今回は、それに関する議論を少々。
まずは、前回にお伝えした内容です。
風邪で煎じ薬、またはエキス製剤をお湯で溶いて飲む場合
①飲み加減の温かさになったところで、飲む。
②飲み終わって少し経って、熱い薄い粥を少し食べて、薬力を助ける。
③布団をかぶったり、衣類を調整して、全身から汗がにじむ程度に調節する。
大汗をかかないように、適宜調整する。
④汗が出て調子がよくなったら、OK!
⑤果実、冷たい飲み物、粘っこいモノ、ヌルヌルしたもの、肉、うどん、ニンニク
ニラ、ねぎ、酒、乳製品、においの強いモノ は避ける。
これは、日本漢方で特に重視される『傷寒論』に載っている内容です。
『傷寒論』の『太陽病 上篇』、『桂枝湯方』の部分で、上記の飲み方が詳しく説明されています。
この桂枝湯、いろいろな薬のベースになる基本処方で、例えば葛根湯は、桂枝湯に生薬・麻黄と葛根を足して作られています。桂枝湯は、『傷寒論』の最初に載っていることからも、重要さが分かります。
そして、詳しい飲み方に関して、他の個所にはあまり説明されていません。
それに対し、考え方が二つあります。
①松田説: 最初に説明しているので、それ以降は『前にならえ、以下略』。
繰り返しを避けたために、詳しい記載はない。
②星野説: 桂枝湯は、薬の効き目が弱めだから、飲み方を調整することが必要。
だから、桂枝湯のところで説明があるが、他の薬には必要がないので記載なし。
私は、①の松田説だと考えています。
古来、インドでは繰り返しが多いですが、中国では繰り返しが少ないとされます。
一説には、インドは音声系の言語だから、繰り返して相手に聞かせる。
中国は、文字系の言語だから、繰り返しの記載を避ける。
ってな意見を聞いたことがあります。
確かに、仏典なんかも、しつこいぐらいの同じフレーズの繰り返しがあります。
そんなワケで、私は、『桂枝湯以外の薬は、桂枝湯等共通するの見方であっても、説明が省略されている。もちろん、違う飲み方が必要な薬もある。』と考えています。