秘伝のレシピ!?

 

  漢方薬の『〇×湯』というのは、『〇×スープ』と言う意味です。

  数百年・数千年の歴史を持つ漢方薬は、名料理人が作った名物料理みたいなものです。

  歴代の臨床家(料理人?)の手を経て、現代に伝わっています。

 

  日本漢方で、特に重視される古典『傷寒論』

  ぶっちゃけ、レシピ集みたいなものです。

  読んでみると、『こんなお客さんが来たら、このスープを出すと良いで!スープの中身は、こうやで!』って内容です。ホントに。

  長い歴史の中で、元のレシピを改良して、独自のスープが作られている場合もあります。

 

  秘伝のレシピは、易々と他人に見せられない!そんなイメージでしょうか?

  例えば、有名ホテルのレシピなどは長らく門外不出で、スープの残りから味を盗まれないように洗剤が混ぜられていたなんて話もあったそうです。

 

  現代漢方の成立に、大きな影響を与えた、大塚敬節先生。

  日本漢方が誇る名コック!と言えるかもしれません。

  私が東京で初めに漢方を学んだ東京女子医大は、当時は大塚先生の流れをくむ漢方でした。

  大塚先生は、日本医師会会長・竹見太郎氏と協力して、漢方の保険収載に尽力したことでも有名で、この点でも現代漢方の祖であると言える人物です。

 

  しかし、実は、です。

  大塚先生が実際に使用した漢方薬は、保険に収載されている同名のエキス製剤と、生薬構成が結構違います。使っている生薬の種類が違ったり、生薬の分量が違ったりします。

  これも、『大塚流・秘伝のレシピ』と呼べるかもしれません。

  私も、大塚レシピを持っていますが、これはエキス製剤とは内容が異なり、エキスだけでの再現は結構難しいものです。

 

  では、どうやって、レシピを入手したのか?

  面白い話が、あるにはあるのですが、……

  頂いた方に義理があるので、その方の存命中は明かせません。

          (*>д<)ノ ゴメン