美の求道者! ~中国、宮廷美容術の世界~
美容術の祖、張麗華
傾国の美女、張麗華。
中国の伝説的な名医である孫思邈の著書「千金方」には、中国古代の美容法の秘方は、張麗華を祖とするものであると記載されているそうです。彼女の美しさは、陳朝の宮廷医たちの英知の結晶でもありました。
張麗華が用いた秘薬の製法が、現代にまで伝わっています。
その内容は、以下のようなものでした。
・材料
鶏卵1個と丹砂(水銀の硫化鉱物)2両。 鶏卵は、できるだけ新しいもの。
・作り方
鶏卵に小さな穴をあけ、卵黄だけを取り除きます。そして、その穴から丹砂(硫化水銀)の粉末を入れ、蝋で穴を閉じます。
その後は、普通の卵と一緒に親鳥に温めさせ、他の卵からひなが生まれたころを見計らって取り出して、薬として用います。
この軟膏は、美容に大変よく効き、皮膚を美しく保ち、しわを防ぐ作用があったとされます。
水銀は、常温で液体の金属であり、化合物によって色が変わること、様々な金属と合金を作れることより、古来より神秘的な力を持つとされました。
西洋の錬金術でも重視され、東洋の練丹術では不老長寿の薬の重要な材料として研究されてきました。その結果、皇帝が連続して水銀中毒で崩御するという事態にもなっています。
『お肌を美しく保つ』と言われても、水銀入りの軟膏は、安全性には疑問が持たれるところです。
『健康のためには、命もいらない!』 ってな冗談がありますが
『美容のためには、命もいらない!』
(屮゜Д゜)屮 ヘイ、カモーン
ってお方以外には、おススメできないかも……